「サイエンスクラブってボランティア部と生徒会が融合したような部活ですね。」と言われたことがあります。一瞬「えっ?」と思いましたが、確かにそうかもしれません。
サイエンスクラブ活動は科学的な研究がメインです。
一方、研究以外の活動にも多く取組んでおり、その活動が「ボランティア部と生徒会が融合」したように見える原因です。
具体例を挙げると、校外から海外のお客様が来た時の対応、子供向け行事への参加、市が行う行事への参加、リサイクル活動などです。
2017年、市民に水環境保全の大切さを呼びかける目的で「水ミーティング」を始めました。
これは、調査活動を通した学びの場である常呂川の大切を知ったことをきっかけにして、市民に常呂川に興味をもってもらいたいという当時の部員の思いからスタートしています。
北海道や日本、さらには世界に「常呂川流域は水を大切にする市民が暮らす地域」という認識が広がってほしいという思いもあり、地域の人達や団体との連携や「産学官連携」をコンセプトに取り入れて水ミーティングを行っています。
連携の重要性や必要性は学校現場だけに限らず、民間企業や行政、個人レベルでも高まっています。
社会構造が複雑になってきたことが、高まりの原因だと思います。
サイエンスクラブが主催するイベントは産学官連携を意識しています。
これは一般的に言われる連携の大切さにとどまらず、連携することの大切さや連携することで生まれる力の大きさを高校生に感じてもらいたいという想いがあるためです。
2019年の水ミーティングの場合、北見市と常呂川水系環境保全対策協議会の後援をいただき、網走川流域の会や北見市上下水道局、株式会社環境ダイゼンの方に発表をしていただきました(産学官連携)。
発表者への最終的な依頼は教員がやるのですが、どのような発表者を招くのか、どのような内容をお話いただくのかは生徒が主導で決めています。
また、今年は、海ごみ問題をテーマにした絵本を出版した北見在住の方に部員が直接アポを取り、絵本作成に至った経緯やごみ問題について取材にいっています。
これがきっかけとなり水ミーティングの午後の部に子どもたちと絵本作りをすることに決めました。
午後の部の目的を「絵本を通じて子供たちに環境問題を知ってもらうこと」に決め、北斗高校放送局に絵本の読み聞かせを依頼しました。
水環境保全の活動をSNS等を通して広く知ってもらうために、美術部にお願いをしてフォトフレームを作製してもらいました。
ボランティアを申し出てくれた生徒とその母親には、魚やタコなどのイラストを書いていただきました(このイラストはシールにして絵本作りに利用したほか、拡大印刷をして写真撮影の時の小道具として使いました)。
前出の北見在住の絵本作家から本の寄贈していただき、子供たちのゲームの景品として利用させていただきました。
運営にはサイエンスクラブ部員以外にボランティア生徒5名が関わりました。
高校生が色々な年齢や立場の人たちと話し合い、協働する場にすることを狙って水ミーティングをコーディネートしました。
高校時代にこのような経験を積むことで、やがて高校生たちが自分のやりたいことを新たに見つけた時、どのように実現していけば良いのかの参考になるのではないかと考えています。
高校生の社会参画を周囲の市民はとても好意的に受け入れてくれます。
意見や要望にも耳を傾けてくれます。
小さな子供は、お兄さんお姉さんとして受け入れてくれます。
幅広い人たちと協力し合える年代である高校生が社会における結節点として機能することの社会的意味は大きいと考えています。
引き続きサイエンスクラブでは連携を意識した活動を行っていきたいと思っています。
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