高栄南公園の水の流れ

2020年6月27日(土)の午後17時頃、サイエンスクラブが環境整備をお手伝いしている高栄南公園のビオトープのようすを見に行きました。

前日に25mm程度の雨が降ったビオトープの水量が増えたはず。
それによってビオトープのようすは変わったかな?
6月20日に行った藻(アオミドロ)の除去の効果も気になります。


で、現地にいったところ、


おっ! 水量は増えていないけど藻が順調に増えている!(藻、減らしたいんだけど...)


ビオトープを見ているうちに藻を除去したい気持ちがムラムラと湧き上がってきたました。
スーツだったので一旦自宅に戻り、竹製のミニ熊手とバケツを車に積み、作業着&長靴を着用してビオトープにもどり、30分ほどの作業で約20リットルの藻を除去しました。


この作業しながら考えたことや気づいたことを書きます。

ビオトープは図のようになっています。

このビオトープは公園裏の山からしみ出す水が水源です。
水源からの水は①に流入し、③に設置されている呑口を経由して排水桝に入り排出されます。

排水桝に入る水量は少なく、(今、手元にデータがありませんが)チョロチョロ、という感じです。

水源からの流量が少ないため②付近はゆーーっくり表層水が流れているものの、目視だけでは明確な流路を確認できません。

目視、藻の傾き、溶存酸素の計測値を総合すると、このビオトープには下図A、Bの2つの流れがあるのではないかと僕は推測しました。根拠を書きます。



一見すると藻がビオトープ一面に生育しているように見えます。
藻の除去をして気づいたのですが、図中の緑色の部分は藻の密度が高く②付近は密度が低い。見た目では②付近も結構生えているようにみえるのですが圧倒的にaやbの方が藻の密度が高かったのです。

矢印Bの付近は藻の密度が極端に低かったため、目視では確認できないものの、ここを(矢印Aよりも少ない量の)水が流れているのではないかと推測しました。

さらに、②表層と④表層の水温を比較すると、①に近いのが②表層です。
このことから、水源から流れ込んだ水は①を通過して②方向に流れていると推測できます。④に藻が多いのも、④は水が滞留しやすく、水の流れ(図の矢印A)に藻が押されているためかもしれません。


景観を損ね異臭の原因にもなる藻を減らす。これが現在取組んでいる環境整備の目的です。
藻の除去だけでは根本的な解決にはなりませんので、良い方法を見つけたいです。
パックテストで測ると水中の窒素態濃度はそれほど高くはないので、底に堆積している有機物を減らせれば改善するような気がしています。

有機物を減らすには、撹拌による物理的除去や底部に酸素を送るためのポンプ(噴水)の設置が効果あるのではないかな...、と確信なき思案を巡らせているところです。


Kitami Hokuto High School Science Club

北海道北見北斗高校サイエンスクラブのホームページ。 個人研究に力を注ぎつつ,置戸町・訓子府町・北見市を流れる常呂川をメインフィールドに調査を実施。 環境保全に取り組む Glocal Action Project 展開中!