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むしときたみしとわたし

北網圏北見文化センターの学芸員である柳谷卓彦さんに,サイエンスクラブGAPメンバーがインタビューをしました。 ― 常呂川の役割は何だと思いますか。 全ての自然は繋がっていて、命は廻っています。自然界には無駄な物がなく、全ての命が連環しながら命を育みます。全てが命の循環なのです。「森は海の恋人、川は仲人」と言われているように、川は森からの栄養や水を海へ運搬し、森と海を繋げます。常呂川も、森と海を繋げて、命をめぐらせています。 私たちは、決してこの命の繋がりを断ち切ってはいけません。命のめぐりを知ることで、命が汚れものに見えるのではなく、尊く、共に暮らす市民に見えるようになるはずです。ですから皆さんにも、もっと広い範囲の人に、さらに先の世代に、命のめぐりを伝えてほしいです。そうして、生物と自然がお互いに理解し合い、共に力を合わせて共生出来たらいいなと思います。― ありがとうございます。それでは、北見市の魅力についてついて教えていただけますか。そうですね...。私が皆さんに一番伝えたいのは、北見はたくさんの魅力で溢れた場所だということです。北見には、ここにしかないオリジナルのものが山ほどあります。常呂川流域には、4500種を超える数多くの生物が生息していて、日本固有種や、天然記念物、絶滅危惧種に指定されたものもいます。本州に生息している生物と北見に生息している生物は全く違い、ネットで探すと、本州のものはたくさん出てきますが北見のものは出てきません。猛禽類と共に暮らすためには、大きな支えとなる柱が必要です。これは、北見に豊かな自然があることの証明です。 ですから私たちは、生物と人との共生のためのオリジナルの資料を作っています。 また、世界で一番美しい鳥であるオジロワシが、私たちのすぐそばで暮らしています。猛禽類と共に暮らすことを目指す街も多々ありますが、北見は既に実現しているのです。10万人が暮らす都市で、猛禽類と共存するところは他にありません。さらに、全国から生き物を捕りに北見にやって来る人たちがいます。それほどまで、北見には貴重な生き物がたくさんいます。しかも、その生き物たちは私たちのすぐそばに暮らしているのです。  ー 私たちはとても恵まれた環境の中で暮らしているのですね。今まで全く意識していませんでした。そうなんです。市民である皆さん自身が、このような北見の魅力に気づかず、北見を何もない場所だと思っています。私は、自分が北見の魅力をまだまだ発信出来ていないことにとてもショックを受けました。ですから、もっともっと北見の魅力を発信したいです。 このような北見の魅力を知ることで、北見をさらに好きになってもらえると思います。また、北見を見つめることで、北見と他の地域が、そして地球がつながって皆が生きているということを分かってほしいです。そこに自然を考える基本が眠っています。 これらを手放すことは簡単で、だからこそ、大切にしなくてはなりません。皆さんにも、それぞれの方法でたくさんの人に北見の魅力を伝えて、次の時代をつくっていってほしいです。 

水ミーティング2018 終了

7月15日(日),北見市立図書館で開催した水ミーティング2018,皆さまの協力の下,無事終了しました。第一部(ローカルの部)のオープニングスピーチでは,北見北斗高校サイエンスクラブ 越智くんが市民対象に実施した常呂川や水環境保全に対するアンケート調査の結果を発表しました。続いて,北見北斗高校サイエンスクラブの1年生である安藤くん,坂井くん,森脇くんの3名がサイエンスクラブの活動で行っている常呂川調査の結果を元に,常呂川は日によってリン酸イオンやCODなどの値が変りやすい川であることを発表しました。1年生にとって,公式の場における初めての発表。発表後には会場からダム上流と下流の水質に関する質問もでました。1年生たちは緊張しながらもきちんと受け答えをしていました。サイエンスクラブの発表に続いて,常呂川に関わるお仕事をしている方々から発表がありました。林野庁北海道森林管理局常呂川森林ふれあい推進センターの南さんの発表「オホーツクの森林のご紹介・森林と水のつながりについて」は,推進センターの仕事,オホーツク地域に広がる森林の役割や特徴についてのお話でした。南さんの発表によって環境に配慮した森林(木材)づくりを心がけていることを知ることができました。会場からは,近年の気候変動の影響の有無や砂防ダムとの関連等の質問がありました。北海道クノール食品株式会社 訓子府工場の齋藤さんの発表「食品工場における排水処理について」 は,製品をつくる過程で使用した水を場内の排水処理設備でどのように処理し,常呂川へ排水しているのかのお話でした。特に,排水は厳しい自主基準を設け,その基準を順守しながら常呂川へ排水を戻していることがよくわかりました。北見河川事務所治水専門官の林さんの発表「常呂川と北見河川事務所の仕事」は,河川管理の内容と常呂川の特徴についてのお話でした。林さんのお話によって,台風や豪雨に対する安全管理の他,魚類・昆虫類などの生物の生息にも配慮していることを知ることができました。北見市上下水道局浄化センターの鳥潟さん,中村さんの発表「北見市の下水処理について」は,北見市民が排出した下水を常呂川へ戻すまでにどのような処理を施しているのかのお話でした。浄化センターには家庭ごみが流れ込むことがあるそうです。ここは市民の意識の問題。十分気を付けて利用したいものです。会場の参加者からは,排水の臭いについての質問が出されました。以上で第一部が終了。続いて,第二部(グローバルの部)では,北見工業大学の留学生 チョンさん,アレックスさんと,同大学教員ナタリーさんとサイエンスクラブ部員 平野さん,高橋さんによるディスカッションを行いました。韓国やタンザニア,ドイツなどの環境保全に対する意識や,自分たちの育った町の水道の状況や環境保全意識について話をしました。髙橋さんの絶妙な進行により,会場は和やかな雰囲気のなか,水に関する広範な話を聞くことができ,私たちの水環境を客観的にとらえる良い機会になりました。閉会式のさいごには,プロジェクトリーダーの平野さんによるアクションプランプロジェクト宣言があり,水ミーティング2018を締めくくりました。この日の全参加者は76名。産官学連携によって開催した水ミーティングによって,北見市民の皆様が少しでも水環境や常呂川の保全に関心をもってくれるならば開催者として嬉しい限りです。協力してくださった皆様には心より感謝申し上げます。